中身を失って尚、コーヒーカップが温みを残していた。 そっと包むと、ゆっくりと手は熱を受け取る。 手の中のそれは少しずつ冷えてゆく。 温みを伝えながら。 少しずつ。 少しずつ。 人はこの温みを誰かに伝えられるのだろうか。 たとえ、自身の温度を失うとしても。
そしてカップは、夜の空気と同化して冷たくなった。
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